心療内科・精神科の開業支援
2018/03/22
こんにちは、医院・クリニック税理士Smileです。
医師として仕事をスタートしてキャリアを重ねてくると独立・開業というのが一つの選択肢になってくると思います。今回は心療内科・精神科、最近ではメンタルクリニックと言ったりしますが、それらにおける開業のポイントを整理してみたいと思います。
◆具体的な開業までの手順・流れ
1、事業計画の作成
心療方針(ポリシー)を確立して、それを事業計画に落とし込んでいきます。融資を受ける時に必要なので、数値計画も一緒に立てるようにします。
2、資金調達(金融機関へ融資の準備)
開業時にかかる設備資金と運転資金を整理して、自己資金で足りない部分を金融機関から融資を受けます。指定の申請書に沿って事業計画書から落とし込む形で作成すると良いでしょう。
3、物件の手続き
開業地を決め、物件の契約に入ります。場所が決まれば同時に診療圏の調査が出来ますので、事業計画書の資料の一つとして利用するようにしましょう。
4、内装工事関係
保健所によって間取りや設備に関する基準や指導内容が異なるので、事前に保健所の相談をしながら内装工事等の準備は進めるようにしましょう。また、工事の納期はタイトになりがちですので、開業予定日に間に合うような余裕を持ったスケジューリングが必要です。
5、医療機器の導入・IT環境の整備(レセコン・HP等)
心療内科や精神科・メンタルクリニックは大規模な医療機器は必要としないのでレセコンや電子カルテ等の準備が最低限必要かと思います。また、ホームページは必ず事前に作成しておき、開業時に患者さんが情報を集める時の安心材料となるように準備をすると良いでしょう。
6、広告関係の準備(紙媒体・看板・チラシ等)
広告については、交通広告として駅看板や電柱広告などがあります。古典的な広告手法ですが、地域や人の流れの状態によっては効果的です。とはいえ、心療内科や精神科・メンタルクリニックであれば、ほとんどがインターネットを利用して情報を集めますし、他人には病状を知られたくないはずですから、スマートフォンなどに対応した広告戦略の必要性がこれから高まっていくと言われています。
7、人員計画
心療ポリシーに沿った人員計画を進めます。看護師は採用難易度が高いので、リスクヘッジをしながら最低限自分一人で受付や助手で運営できるような方法も検討した方が良いかもしれません。スタッフを採用する際には、自院に当てはまる補助金等があるかもしれませんので、事前にお調べしておく事をお勧めします。
8、什器や備品等の準備
電話やFAXをひいたり、インターネットの手続き、事務用品・備品の準備をします。
9、諸手続き(保健所関係、請求関連、保険・税務・医師会等)
最後に医院を開業するにあたり、保健所の指導・消防署の指導を受けたり、保険請求の手続き、労働保険や必要があれば社会保険の加入、税理士の選定や、必要があれば医師会への加入などの準備をします。
◆開業地選定のポイント
・心療内科・精神科・メンタルクリニックの場所には工夫が必要
心療内科・精神科の開業地については少し工夫が必要かもしれません。対象となる患者様は、他人に病状を把握されたくない方がほとんどです。そのため、通院している事が多くの人にわからないように、2階のテナントが良いといった情報もあります。
・心療内科・精神科・メンタルクリニックは他の診療科目と比べてスペースは必要としない
心療内科や精神科、メンタルクリニックであれば特に検査用のスペースやリハビリ用のスペース、処置室などを準備する必要は基本的にありませんので、コンパクトなスペースでも開業可能です。待合室と診療室・カウンセリングルームを基本として開業スペースを検討します。
◆開業資金に関して
(1)テナント契約費用
心療内科・精神科のテナントでの開業には20坪から30坪ぐらいの広さが一般的です。契約時の諸経費や敷金等は開業時の費用としても大きな金額になるので事前にある程度目安を把握するようにしましょう。
(2)内装工事資金
待合室やカウンセリングルームなどではプライバシーに配慮するように工夫が必要で、内装や家具にこだわるとその分、開業にかかる費用に上乗せとなります。
(3)医療機器・備品
心療内科・精神科では、医療機器の導入は他の診療科目と比べて少ない傾向があります。
(4)運転資金
設備にかかる費用も抑える事が出来るので、ホームページや広告宣伝費を駆使して、対象となる患者様に安心感を与えるアプローチが出来るように工夫を凝らすことに費用を使う事になるでしょう。
一般的なお話ではありますが、心療内科・精神科では3500万円~4500万円の開業資金となります。
◆人員計画に関して
クリニックのコンセプトによりますが、基本的には先生が治療に専念できるように受付・事務のスタッフが必要です。開院している時間帯や、日数によって必要な人員を揃えることになります。また、専門職として臨床心理士や精神保健福祉士や看護師がいますが、無暗に人材を増やすのではなく、患者様の状況や経営コンセプトに合わせて計画的な採用をすると良いでしょう。
また、心療内科・精神科は患者様への対応が非常に大切になります。電話対応や対面での対応だけでなく、プライバシーへの配慮など、研修も含めて教育して育て上げるという観点が必要でしょう。
◆心療内科成功のポイント
心療内科を取り巻く環境は、診療所の数が増加傾向にある点や、点数の減少による厳しさがあると言われています。そのため新規の患者様に来院して頂く工夫は常に考え続けなければいけません。
(1)ホームページによる集患
心療内科・精神科・メンタルクリニックの患者のほとんどがホームページを見て来院をします。自院の強みが明確にわかるように、さらには不安を強く持った方が多いのでサイトの隅々まで安心感を感じてもらえるような仕組みが必要と言えます。
(2)信頼のおける情報提供・コミュニケーション
心療内科・精神科・メンタルクリニックに来院される患者は間違った情報を持っている方も少なくありません。スタッフ一人ひとりが正しい知識を持つのは当然の事として、丁寧な説明やコミュニケーション、プライバシーに配慮した対応などを隅々まで徹底する事で安心して通える体制が求められます。
◆開業をお考えになったら、まずは無料相談にお越し下さい
初めて開業される先生は、不安な事も多いかと思います。まずは無料相談にて、開業に関するお悩みをご相談下さい。