上田会計週報『相互持合株式評価余話』
2018/05/07
相互持合株式評価のエクセル手法
相互持合株式の評価では、連立方程式を解くことにより、相互持合い効果を維持しつつ重複評価額部分を排除します。
しかし、関係会社5社の相互持合い、などといったら、それこそ連立方程式を解くのも大変で、それが正解か否かも不確かなはずです。
その計算正確性の確認のために、Excelを使って、
1. 解いた連立算式をExcelに入力する
2. Excelで逆行列数学計算をする
3. Excelで循環参照となる式を作り、
反復強制計算する
と、それぞれで解を求めて、それが合致することで、正解を担保することが出来ます。
シミュレーションから異常値
各種の計算方式の答えを差し引きし合って、差がゼロになることを確認していると、エクセルは時々「-0」という表現をすることがあります。
「0」と示しているところでも、「IF関数」などを使って、「0だったらYes、0でなかったらNo」と示すことを求めると、「No」と表示することがあります。
その原因は、小数点以下の表示を何桁も示してみるとわかります。小数点以下、16桁のところで突然「0」でなくなり、数字が現われてきたりします。
こういう現象は、引き算が小数点以下のデータを対象とするところに現われてきます。ネットで探し求めた解説によると、10進数から2進数に変換して計算し、また2進数から10進数に変換表示するためのコンピューターの不可避的な誤差現象のようです。
Excelは巨大な数字も苦手
Excelで異常値を示すのは、小数点以下の桁数が大きい時だけではありません。足し算でも、同じで、15桁以上の結果となる値では、少ない桁数の部分の数字はことごとく0になってしまいます。
そういう現象は、計算値ばかりでなく、単純に大きな数字を無造作に入力しただけで、15桁超での入力数字の下の位は0表示となります。小数点以下の数字の単純入力でも、同じです。