訪問看護座談会(2024.05)について
2024/06/10
ミネルバ税理士法人では、訪問看護業界のお客様をもつ担当者一同にて、相互の情報共有を目的として「座談会」を開催しています。今回、その内容を取り上げたいと思います。
診療報酬改定及び介護報酬改定
令和6年度は、2年に1度改定の診療報酬と、3年に1度改定の介護報酬が同時に改定される年です。
今回の診療報酬改定にて、「ベースアップ評価料」という点数加算が新設されました。
これは、厚生労働省が発表しているベースアップ(令和6年度に+2.5%、令和7年度に+2.0%)を目指すための措置であり、ベースアップ評価料による収入増を賃上げに充当することが要請されています。
ベースアップ評価料を算定するためには、届出及び賃金改善計画書を作成し、メール又は紙面により地方厚生局へ提出する必要があります。詳細は次のURLをご参照ください。
厚生労働省 ベースアップ評価料について https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00053.html
賃上げに関する支援は、税制面からも行われており、その最たる例は「賃上げ促進税制」です。
令和6年度改正では、大企業から中小企業まで税額控除が強化されたほか、中小企業については税額控除しきれなかった分を5年間繰り越せる措置が追加されました。
これらの施策により訪問看護業界でも賃上げを検討・実施する会社が増えることが予測されます。
訪問看護業界でもオンライン資格確認制度が開始
すでに医科・歯科では始まっているオンライン資格確認制度が、訪問看護業界でも導入されます。
令和6年12月には、現行の健康保険証が廃止されることもあり、今年中に様々な対応が必要になりそうです。
訪問看護の場合は、利用者宅等においてモバイル端末を用いて行う事が想定されるため、その通信機器の準備や
個人情報保護の対策が考えられます。
オンライン資格確認のシステム導入について補助金制度も公表されました。該当する場合は補助金の申請とその締切にご注意いただければと思います。詳細は次のURLをご参照ください。
医療機関等向け総合ポータルサイト
https://iryohokenjyoho.service-now.com/csm?id=oqs_csm_top#gyomu4
令和5年度介護事業経営実態調査について
介護業界の経営状況についての統計結果が厚生労働省から公表されました。
他の訪問看護ステーションについて、収益費用だけでなく、訪問回数や賃金など、自社との比較や今後の方針を練る材料にしてみてはいかがでしょうか。詳細は次のURLをご参照ください。
厚生労働省 介護事業経営実態調査 結果の概要
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/78-23b.html#link01
いかがだったでしょうか。人材不足が叫ばれる介護業界では、今回ご紹介した賃上げや医療DXの促進への対応が今まで以上に求められる時代になっていくと思われます。ご一読いただきありがとうございました。